結論からお伝えします。マッチングアプリで身分証の提出を求められるのは、そのアプリが親切だからでも、あなたを疑っているからでもありません。出会い系サイト規制法という法律で、事業者に「利用者が児童でないことの確認」が義務づけられているためです。そして法律が認めている確認方法は3つに限られており、提出が必要なのは書類のうち年齢がわかる部分だけです。この記事では、法律が何を求めているのか、送る範囲をどこまで絞れるのか、そして本人確認がないサービスをどう見ればいいのかを順番にお伝えします。
- 本人確認が必要な法的理由
- 法律が認める3つの方法
- 提出する範囲の絞り方
- 確認なしアプリの見方

身分証の提出を求められて、手が止まっていませんか
顔写真つきの書類を、知らない会社に送る不安
登録を進めて、いよいよ使い始めようとしたところで「本人確認書類をアップロードしてください」という画面が出てくる。運転免許証やマイナンバーカードの写真を撮って送るよう求められて、そこで一度手が止まる人は少なくありません。
不安の中身は、だいたい次のようなものです。送った画像はどこに保存されるのか。悪用されないのか。住所や免許証番号まで知られてしまうのか。相手に見られることはないのか。
どれも当然の疑問です。そしてこの不安は、仕組みを知らないまま送るときに一番大きくなります。
「本当に必要なの?」という疑問
もう一つよくあるのが、そもそも必要なのかという疑問です。他のサービスでは求められないのに、なぜマッチングアプリだけが身分証を要求するのか。
ここには明確な答えがあります。アプリ各社が独自に決めているルールではなく、法律で義務づけられているからです。まずはその根拠から確認していきます。
本人確認は、法律で事業者に義務づけられている
出会い系サイト規制法という法律がある
根拠になっているのは、「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」という法律です。長い名称のため、一般には「出会い系サイト規制法」と呼ばれています。平成15年に制定されました。
警察庁の説明によると、この法律はインターネット異性紹介事業者に対して、届出、利用者が児童でないことの確認、禁止誘引行為に係る書き込みの削除などの義務を課しています。第3条、第7条から第14条まで、第16条で規定されており、違反した場合の罰則も第31条から第37条に定められています。
つまり、本人確認は事業者の任意のサービスではなく、守らなければ罰則がある義務です。
「児童でないことの確認」という言い方
法律の条文で使われているのは「本人確認」ではなく「児童でないことの確認」という表現です。ここでいう「児童」とは、警察庁の説明によれば18歳未満の少年少女を指します。
この言い回しは、法律が何を目的にしているかをそのまま表しています。目的は、18歳未満の子どもがこの種のサービスを使えないようにすることです。あなたが誰であるかを特定することが目的ではありません。
この区別を押さえておくと、次に説明する「提出する範囲」の話が理解しやすくなります。
法律が認めている確認方法は3つ
出会い系サイト規制法の施行規則では、児童でないことの確認方法が具体的に定められています。警察庁の公表内容によると、次のいずれかの方法によることとされています。
1. 書類の該当部分を見せる方法
1つ目は、運転免許証その他の年齢または生年月日を証する書面を使う方法です。ここで重要なのは、書面全体ではなく特定の部分だけが対象とされている点です。
施行規則が挙げているのは、「当該異性交際希望者の年齢又は生年月日、当該書面の名称及び当該書面を発行し又は発給した者の名称に係る部分」です。この部分の提示、写しの送付、または画像の送信を受ける方法、と定められています。
2. マイナンバーカードを使う方法
2つ目は、マイナンバーカードを利用して、生年月日に関する情報の送信を受けることにより確認する方法です。
書類の画像を送るのではなく、カードから生年月日の情報そのものを送る形になります。画像として保存される情報が発生しないのが、この方法の特徴です。
3. クレジットカードなどで支払う方法
3つ目は、クレジットカードを使用する方法その他の、児童が通常利用できない方法により料金を支払う旨の同意を受ける方法です。
クレジットカードは原則として18歳未満が作れないため、カード決済ができること自体が年齢の証明になる、という考え方です。身分証を出さずに有料会員になれるアプリがあるのは、この規定によります。
一度確認すれば、次からは簡略化される
なお施行規則には、あらかじめこれらの方法で児童でないことの確認を受けた利用者に識別符号を付与している場合、それ以降の利用の際は識別符号を送信させる方法で確認を行うこととする、という規定もあります。
毎回身分証を出し直す必要がないのは、この仕組みがあるためです。
提出が必要なのは「年齢がわかる部分」だけ
法令が求めている範囲は限定されている
ここが、不安を減らすうえで一番大事なポイントです。
先ほど見たとおり、施行規則が対象としているのは「年齢または生年月日」「書面の名称」「書面を発行した者の名称」に係る部分です。住所、本籍、書類の番号、顔写真は、法律が確認を求めている範囲には含まれていません。
マスキングして送れる理由
そのため多くのアプリでは、提出時に不要な部分を隠して(マスキングして)送る方法が案内されています。運転免許証なら、生年月日と「運転免許証」という名称、発行した公安委員会の名称が読めれば、法律上の要件は満たせる計算になります。
実際にどこまで隠してよいかは、アプリごとの審査基準によって異なります。ただ、法律が求めている範囲はここまでだという事実を知っているかどうかで、提出の仕方は変わってきます。提出画面に「隠してよい項目」の案内があるかどうかを確認し、案内があればその範囲で隠して送るのが現実的です。
確認が済んだ後の書類の扱い
提出した画像をどのくらいの期間保管するのか、いつ削除するのかは、アプリごとのプライバシーポリシーに書かれています。ここは法律で一律に決まっているわけではないため、気になる場合は登録前にプライバシーポリシーの該当箇所を読んでおくのが確実です。
なお、提出した書類の内容が他の利用者に表示されることはありません。相手に見えるのは「本人確認済み」といった表示だけです。
マイナンバーカードを使う方式が広がっている
2024年以降、各社が相次いで導入
書類の画像を送ることへの不安に応える形で、マイナンバーカードを使った確認方法が業界全体に広がっています。
マッチングアプリ「Pairs」を運営するエウレカは2024年8月に、マイナンバーカードのICチップを読み取るオンライン本人確認を導入しました。「タップル」も2025年にマイナンバーカードを使った本人確認・年齢確認の機能を提供開始しています。2025年6月には、デジタル庁とマッチングアプリの業界団体が、マイナンバーカード活用に関する協定を締結しました。
画像を送らずに済むという利点
この方式の利点は、身分証の画像というデータを発生させずに確認を終えられることです。カードのICチップから必要な情報だけを送るため、免許証の写真が事業者のサーバーに保存される、という状況そのものが起きません。
先ほど見たとおり、マイナンバーカードによる確認は施行規則にも明記された正式な方法です。書類の画像を送ることに抵抗があるなら、この方式に対応しているアプリを選ぶ、という判断の仕方もあります。
なお、マイナンバーカードを使う仕組みには、年齢確認のほかに「独身であることの証明」に使うものもあります。こちらは法律上の義務ではなく任意の機能です。混同しやすい部分なので、独身証明については別記事で整理しています。
「本人確認なし」で使えるサービスをどう見るか
確認をしていないということの意味
「本人確認なしで使える」とうたっているサービスを見かけることがあります。手軽に思えますが、ここまで読んだ方はもう察しがついているはずです。
出会い系サイト規制法の対象となる事業であれば、児童でないことの確認は義務です。確認を一切していないのであれば、法律が想定している形で運営されていない可能性があります。
ただし注意が必要なのは、すべてのサービスがこの法律の対象になるわけではない、という点です。提供している機能の範囲によって、求められる確認の程度が変わる規定もあります。「確認がない=即座に違法」と決めつけることはできません。
利用者側にとって何を意味するか
法律上の評価はさておき、利用者の立場で考えると話は単純です。年齢確認をしていないサービスは、18歳未満が混じっている可能性を排除できていないということになります。
相手が未成年だった場合、こちらにどんなリスクが生じるかは言うまでもありません。手軽さと引き換えに引き受けるものが大きすぎる、という判断になります。
届出をしているかを確認する方法
インターネット異性紹介事業を営む場合、事業者は公安委員会への届出が必要です。届出をしている事業者は、サービス内や運営会社情報のページに届出番号を掲載していることが一般的です。
登録前に、運営会社の情報と届出の記載があるかを見る。これだけでも、最低限のふるい分けにはなります。
それでも不安な人のための、現実的な3つの対策
1. 提出する範囲を絞る
法律が求めているのは年齢がわかる部分だけです。アプリ側がマスキングを認めている場合は、その範囲で隠して提出する。これで送る情報量を減らせます。
2. マイナンバーカード方式に対応したアプリを選ぶ
画像そのものを送りたくないなら、マイナンバーカードによる確認に対応しているアプリを選ぶ方法があります。2024年以降、対応するアプリは増えています。
3. 提出先の事業者を確認する
運営会社名、届出の記載、プライバシーポリシーの3点を登録前に確認する。ここがはっきりしているサービスを選べば、提出のリスクは大きく下がります。
不安をゼロにはできませんが、どこに何を渡しているかを把握したうえで渡す。これができれば、漠然とした不安はかなり整理できます。
まとめ:本人確認は、あなたを守るための手続き
ここまで、本人確認が法律上の義務であること、法律が認める3つの確認方法、提出が必要な範囲、マイナンバーカード方式の広がり、そして確認なしで使えるサービスの見方までを整理してきました。
押さえておきたいのは3点です。本人確認は出会い系サイト規制法にもとづく事業者の義務であり、罰則もあること。法律が求めているのは年齢がわかる部分だけで、住所や書類番号まで必須ではないこと。そして確認をしていないサービスは、18歳未満が混じる可能性を排除できていないこと。
身分証を出す手続きは、たしかに面倒で、少し不安でもあります。ですがその手続きは、あなたが安全な相手と出会うための前提条件として設けられています。仕組みを知ったうえで、渡す範囲を自分でコントロールする。それが一番現実的な向き合い方です。
なお、この記事で触れた法律の内容は警察庁の公表資料にもとづく2026年9月時点のものです。各アプリの具体的な提出方法や保管方針は事業者ごとに異なるため、実際の手続きの際は利用するアプリの案内とプライバシーポリシーを確認してください。
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8年に及ぶアプリの「悪用経験」を逆手に取り、不誠実な男の行動原理をロジカルに解明。かつて自らが磨き上げた「嘘の技術」を、現在は女性を欺瞞から守り抜く「盾」へと再定義する。アプリのアルゴリズムと男の心理に精通し、「誠実な女性の貴重な時間を、一瞬たりとも不誠実な男に浪費させない」ことを絶対の指針に、鉄壁の防衛ロジックを監修。











